転職などによる収入減のため債務の返済が困難となり個人再生を行った事案
依頼者はギャンブルなどで債務を作り、何とか返済を続けている状態であったが、職場の事情により収入が大幅に下がるため、返済が危ぶまれた
ギャンブルでの債務が大半であったことや、ご本人が返済の意向を示したため、小規模個人再生手続を選択する
その後は、不安定な収入の中、想定される月の返済額に合わせた費用を捻出できるよう、無駄な支出を減らしていく作業を行い、何とか安定して想定される返済額を毎月捻出できるようになる
その作業を経て裁判所に申立をし、無事再生計画の認可を得る。
破産管財事件
依頼者は自宅を購入するため、住宅ローンを組み、滞りなく返済していたが、数年後配偶者が病気に罹患し亡くなってしまったため、家計の収入状況が大きく変わり住宅ローンの支払が苦しくなってきた。
加えて子ども達の進学費用や学費も捻出する必要があり、また食費も生活を圧迫するようになり、借り入れが増えていった。
借り入れに対する返済のためにさらに新たな借り入れを重ね、また子に対する仕送りも必要となり、とても住宅ローンが払える状況ではなくなった。
依頼者は悩んだ結果自宅を売り払ったが、それでも住宅ローンがかなり残った状態であった。
そのうち、債権者から給与に対し差押を受けるようになり、破産の申し立てをすることにした。
依頼者は、申立時に受け取ることが可能な退職金を算出した時にその価値が20万円を超えていたため、管財事件として申し立てを行い破産管財人が選出された。
ただ、退職金の中でも差押が禁止されている種類の退職金が存在し、それを管財人に対し説明を行い、一部の退職金のみを破産財団に組み入れることとしてその他の依頼者の財産(今後受け取ることができる退職金)を保護することができました。
退職金は、月日がたつほどに増額していくものであり、その資産価値も増え続けます。このように増額する資産を保有する債務者の場合、財団に組み入れる額を少しでも抑えることができるよう、早急に概要を把握し申立を速やかに行う必要があります。
個人再生
依頼者は、マンションを購入し、住宅ローンの返済を続けていたが、数年後に離婚し、養育費の支払いに加え妻の収入がなくなったことで、家計に余裕がなくなっていた。
その後、退職した父の生活費を工面したり、仕事の営業のため交際費を自費で負担しなければならなくなり、だんだん借り入れが増えていくようになった。気が付くと自分ではどうしようもない程の借り入れ額になっていたが、自宅マンションを売りたくなかったため、個人再生の方法を選択した。
申立人の所有するマンションがかなり価値の高い物件であったため、最低弁済額の基準が清算価値保証基準となりました。
個人再生の多くの場合、住宅ローンの支払はそのまま支払い、その他の債権について、額を縮小して払っていく必要があります。
そのため、清算価値を少しでも抑えるべく、マンションの査定について内乱も加えた査定額を提出してもらうなどの助言を行いました。
マンション、また不動産の価値は評価額から住宅ローンの残債を差し引いた金額を算定基準としますが、ここでいう評価額とは役所から発行される固定資産評価額ではなく、実勢価格を採用されることが多くあります。
住宅ローンの残債は、通常通り返済を行っている債務者の場合、日を追うごとに少なくなっていきます。
つまり、実勢価格から差し引く残債が減少していくため、住宅の価値が高い場合には特に申立を急ぐ必要があります。